知らないうちに採用のチャンスを逃してる?求職者に聞いてわかった採用の見直しポイント

現在、有効求人倍率は1.57倍(*)と依然高い水準であり、引き続き採用マーケットでは求職者が有利に企業を選べる立場が続いています。(*データ元:2019年11月厚生労働省発表データより抜粋)。こうした状況の中、企業は優秀な人材を確保しようと、エージェントや求人広告だけにとどまらず、自社の採用ブランディング化・リファラル採用など様々な工夫をして採用成功に向け取組を強化しています。しかし、そうした努力をしているにも関わらず、求職者は意外な落とし穴で、御社への志望度を下げているかもしれません。
今回は、実際に元転職エージェントのキャリアアドバイザーをしていた筆者が、転職活動をしている個人に聞いて分かってきた傾向・企業が気を付けるべきポイントをお伝えさせていただきます。

はじめに:求職者が企業に何を求めているかを理解しましょう。

採用成功のためには、求職者が何を企業に期待しているのかを知ることが何より大切です。
エン・ジャパンが運営する月刊「人事のミカタ」が2019年6月に発表したデータ(引用元:https://partners.en-japan.com/special/tenshokushinri/)によると、求職者が会社に求める条件は、20代・30代で下記のように特徴が表れています。

20代が会社に求めることは、
【1】プライベート: 仕事とプライベートの両立が出来る環境かどうか
【2】評価:仕事の成果に合わせてしっかり評価されるか?評価される環境か?
【3】両立:結婚や出産などライフイベント後も仕事と両立できるか?
というように、20代は仕事に加えてプライベートの時間確保も重視しながら仕事を探していると言えます。

一方で、30代が会社に求めることは
【1】会社
【2】プライベート
【3】評価
と気になるワードのラインナップが若干変わっていることが分かります。
30代は、20代と比べ結婚や子供など家族を持っている方の割合が増える為、自分がやりたいことだけではなく、「家族」という視点が入ってきます。しっかりと家族を養っていけるかどうか?会社の安定性は大丈夫か?成果に合わせてお給料が上がっていくか?こうしたところを気にする傾向が強くなっていきます。

募集編 ~求人募集の際に気を付けるべきポイント~

まずは求人の段階から、求職者に選んでもらう為の工夫が大事になってきます。
上記のデータも踏まえ、求職者の方が目を引く求人内容にすることがポイントです。

【1】休日や有休・制度について
プライベートとの両立も大事にする求職者が増えている中、やはり求職者が応募前に必ず目を付けるのは休日関係です。ここが不安に感じたり、不透明だと感じると求職者は応募をためらったり、応募しないという選択を取りますので必ず見直しをしてみてください。

ポイント1 休日日数と、その内訳は明確か?
しっかり書いているつもりでも、意外と求職者は細かく見ているものです。
(例1) 年間休日120日・完全週休2日制
一見、しっかりと書いてあるように見えますが求職者側の本音はこうです。
これは土日休み?平日休み?祝日は出勤?年末年始は??GWは?
そこで求人票にはしっかりと内訳などを記載しましょう。
(改善例)年間休日120日・完全週休2日制(土日祝)・年末年始・GW休暇・年次有給休暇(年10日付与)
また最近の傾向として、年間休日120日を下回っている企業については、不安に思われる傾向があります。人事制度の見直しが出来れば越したことはないですが、なかなかそう簡単に人事制度の改定は難しいと思います。その場合、下記のように工夫してみてください。
(例2)年間休日114日・土日休み(月1回土曜日出社)・年末年始・GW休暇・年次有給休暇(年10日付与)
ただ単純に年間休日や土日休みと書くだけではなく、どれくらいの頻度で出社が発生するのかをイメージできる一言(月1回土曜日出社)などを加えてみてください。また、最近ではさらに有給消化率などをアピールして、比較的取りやすい環境であることもお伝えしている企業は増えてきています。

また結婚や出産後も働き続けられるかどうかは非常に重要になってきます。
産休育休制度ありに加えて、実際の習得率を記載すると魅力的な求人に移ります。
(例3)産休育休制度あり ⇒ 産休育休制度あり(習得率100%)・過去○名の女性が実際に利用しております。子育てと仕事の両立がしやすい環境です。

【2】仕事内容について
求職者側が具体的な仕事内容をイメージしやすいよう詳細に書きましょう。
例えば営業であれば、だれを相手に商談をするのか、一人何社くらい担当するのか、新規営業と既存営業の割合はどうか?などがイメージできるように書くと良いでしょう。
また、仕事内容だけでなく、部署の構成や仕事を覚えていく際のバックアップの体制・社風なども書くとより求職者側は働くイメージをしやすくなります。

(例4)オーガニック商品や加工品の営業をお任せします。取引先は、食品メーカー、食品流通販売会社が主な取引先となります。一人当たり約20社~30社ほど担当をいただきます。基本的に新規開拓はなくルート営業になります。(商品力の良さから、ご紹介も多い為その際は、新規商談をいただきます。)具体的には、取引先の訪問・継続契約獲得・在庫管理・食品展示会の運営などを行っていただきます。
入社後・・・先輩社員が半年間OJTとしてつき、営業同行などから徐々になれていただき独り立ちまでサポートします。半年後も、困ったことがあれば相談しやすい環境です。現在、営業部員は30名ほどおり、そのうち7割が中途採用で業界未経験です。職場の雰囲気は非常に和やかでアットホームです。残業も比較的少なく平均残業は10~20時間で、定時に帰りプライベートと両立している社員も多い職場です。

【3】給料や待遇について
給料や待遇の記載についても意外と注意が必要なものです。年収240~800万円というような求人も見受けられます。出している企業としては未経験から、経験豊富な役職候補までを想定して募集していたり、インセンティブが高く個人により差があるためにこのような事象が起こってしまうのですが、求職者側からすると自分はどれくらいの提示になるのか分からない。下限値で考えたらよいのか、800万円も提示されることもあるのか…稼げない人は稼げないのではないか…こうした不安を呼び起こしやすくなります。あまりにも年収のかい離がある場合は未経験枠と、経験者枠で求人を分けて作成したり、インセンティブが多いのであれば、補足として平均年収やモデル年収を記載すると良いでしょう。自社の求人の年収が妥当かどうかを知りたいのであれば求人広告やエージェントの営業に一度相談してみても良いかもしれません。

面接編 ~志望度が上がる面接のために~

いよいよ面接編です。求職者の志望度を左右する大事な面接になります。せっかく応募はもらえるのにいつも他社に負ける…辞退される…というようなお悩みをお持ちでしたら、改めて一度面接のあり方をぜひ見直してみてください。

♦はじめに…環境編
初めに面接をする場所の確認から始めましょう。求職者は、実際に働く環境をイメージする為、社内の空気なども意外とみているものです。求職者からよく聞くお話の中に「歩いている人たちが疲れている気がした」「エレベーターで社員の方と一緒になったが、社内の方の悪口を言っていて雰囲気が悪そうだった」「隣から罵声などが聞こえてきた」「オフィスが閉塞感があり、暗い感じがした」「段ボールが山積みの中で面接をして、あまり整備されていない気がした」というような声を聴きます。求職者は面接内では分からない情報というのを特にみています。罵声など行きすぎた暴言やパワハラはそもそも、糾弾されるべき事態ではあり至急の改善が必要ですが、適切な範囲の注意の声であったとしても、周りからみると「パワハラがすごいのではないか」と不安を仰ぐことになります。まずは面接を実施する場所はどこが適切かを改めて検討してみるのは大事でしょう。場合によって応接室が狭い・あまり整理されていないという事なのであれば、近くのカフェなどを使い実施するのも一つの手です。また、暗い感じがするのであれば電球などを見直したり、観葉植物をおいたり整理整頓などを徹底するなども意外と有効です。

やはり求職者と企業の一番の接点は面接になります。面接での発言内容には十分気を付ける必要があります。企業側も求職者を選ぶ立場にあるのと同時に、求職者側も企業を選ぶ立場だということを忘れてはいけません。ここでは、実際に求職者の方から聞いた実際に面接内で志望度が下がった例をいくつかピックアップしてご紹介します。

■志望度が下がった面接内容
①面接官の方が自慢気に物事を話す
「俺くらいの役職者になると、○○(高級車)だったり、マンションなんてぽんっと買えるからなぁ。どう?あなたはそういう車とか買える?今の会社おっても買われへんやろ??などと自慢された。受験先企業は頑張れば稼げるということを伝えたかったのかもしれないが、人を馬鹿にした態度から信用ができないと思った」
②やめた人の悪口を言う
「前任の方がやめた理由を尋ねた時に、辞めた人は仕事が全然できなかった。ついていけなくて辞めていったと聞いた。仕事が出来る・出来ないって、結構人それぞれでは・・・?自分が入っても仕事ができないと思われるのではと心配になった。」
③プライベートな内容にまで言及した面接
「彼氏はいるか?や両親の職業などを聞いてきた。面接でここまで聞く必要はどこにあるのだろうか?と思ったが、印象を守るために答えた。ただ、企業への印象は悪くなった」

上記の内容については、面接官の努力で改善できるポイントです。面接官を依頼する人の特徴を予想し、もし防げるのであればある程度のガイドラインを人事側から面接官に要求し、面接で聞いてはいけないこと、注意してほしいことを事前にお伝えしておくと良いでしょう。また、特に採用慣れをしていない方などは注意です。時代背景もめまぐるしく変わっています。昔は、家族よりも仕事を優先させる事が当たり前でしたが近年は両立がキーワードになっています。「私達の頃は~」などと面接の場で話し、個人とのギャップを生まないように気を付けましょう。
ちなみに、面接で聞いてはいけないことについても厚生労働省がガイドラインを出しています。事前に面接官には共有をし、注意してもらうと良いでしょう。

<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること
<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

上記のガイドラインに従うと、両親の職業などを聞くことはNGとされています。
こうしたことを順守できない企業と思われないよう周知を徹底させましょう。

内定後~入社承諾まで

無事、合格ラインに達し内定を出すフェーズになった時にぜひ実践してもらいたいことをご紹介します。

(1)条件について本人の不明点がなくなるまでしっかり説明する
内定の際、基本給や賞与などを記載した理論年収の提示などをする企業も多いと思います。
そうした条件を通知しながら本人が気にするポイントや不明瞭なことをなくしていきましょう。特に日本人は条件について聞いたり交渉をしたりするのはNGだと思っている方も多い為、「内定になっているので分からないことや聞きたいことは何でも聞いてください」と本人が内心不安に思っていることをすべて吐き出してもらい、一つ一つ解消しましょう。

(2)しっかりと評価を伝える
求職者は「しっかりと評価されたところに行きたい」という気持ちを持っている方も多く、選考を通じてのご本人の評価をしっかりお伝えすることも大切です。
良かったところや、入社後伸ばしてほしいことをしっかりお伝えし、期待持っていることを存分にお伝えしましょう。
また、合わせて待遇についても同世代と比べてどうなのか?次のランクに上がると年収はどうなっていくか?次のランクに上がるまでは何ができるようになれば上がるのか?など、人事制度の説明に加え、今回ご本人に提示している条件の根拠をお伝えすることでご本人はより納得感を持ちます。説明がないと「これはどれくらい評価されたのだろうか?入社して他の方と待遇が大きく違うとどうしよう。条件交渉できるものだろうか」と、不安になることもしばしあります。しっかり評価を伝えたうえで、次のランクを目指してほしいという前向きな話をお伝えしてみてください。

(3)必要であれば、職場見学や相性のよさそうな上司や先輩をセッティングする
一生働く職場のため後悔ないように慎重に選びたいと感じるのは当然です。
必要であれば、職場見学などをセッティングし、働く環境や周りの社員の方のイメージをつけ、入社後も安心だと思ってもらえる材料を提供しましょう。職場見学は、求職者からの反応も良く有効な手段です。うまく取り入れて活用していきましょう。

いかがでしたか?求職者に選んでもらえる取組の一つとして参考になれば幸いです。
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