元教員が伝える研修内製化のメリットと成功させる秘訣 教育の最新手法から学ぶワークショップ研修の進め方

企業の研修内製化への着手率は1000人以上の規模の会社だとなんと8割に上り、
300名以下の企業でも50%以上がすでに着手しているといわれています。

研修内製化のメリットの第一には、
現在外部に利用されている費用の削減、コストカットが挙げられます。
しかし、実はそれ以外にも様々な効果が見込まれており、
現在研修を実施していない企業でも、
内製の研修から実施をした方が良いパターンさえあります。

社員でなければ教えられないことを、教えられること。
社員が講師をすることで、主体性のある社員が育っていくということ。
同じ悩みや苦労を知る社員が前に立つことで、身の入り方が変わり、現場にも活かしやすいことなど。

一石二鳥とも、三鳥とも言えるメリットを持つ研修の内製化。
ただし実際の実施にはハードルも。
特に研修内製化では、それまで「人に教える」という分野以外で活躍してきた人に講師になってもらう必要があります。

そこで今回は、研修の組み立てで意識するべき内容を、
もともと毎日授業づくりと実践を行ってきた元教員の目線からまとめていきます。

ただ前に出て喋るより、18倍効果の高い学習法がある! 効果的な学習法TOP3

アメリカの国立研究所に学習の定着率を図る「ラーニング・ピラミッド」というものがあります。
この研究によると、講義を受ける、いわゆる「聞く」という行動で得られる定着率は、わずか5%と言われています。
その他、読書で10%、ビデオなどを利用した場合20%、実演を見た場合は30%と、
それぞれの学習方法に応じて大きくその後の定着率が異なることがわかりました。

では、最も効果的な学習方法はなにか。
「聞く」だけではわずか5%だった学習定着率が、
90%まで向上する方法があります。
ここでは学習効果が最も高い3つの方法をランキング形式でご紹介します。

3位 他者と議論する(50%)

グループディスカッションやディベートなど、
リアルタイムで会話を、あるいは意見を述べることを指します。
頭の中で上方を整理し、伝える必要があるため、
受動的に見聞きするだけの学習よりも定着率が高くなります。

2位 実践による経験・練習(75%)

学校教育の現場で言う、体育や家庭科など、
実技科目と呼ばれていた教科の内容がイメージしやすいかもしれません。
実際に自分の手や身体を動かしていくことは、
圧倒的な学習効果をもたらします。

1位 人に教える(90%)

第一位は、人に教えるというもの。
人に教えるためには人の3倍理解する必要がある、などと言われることもありますが、
逆に「人に教える」という形を学習方法として考えると、
このように驚くほど高い学習効果をえられます。

ラーニング・ピラミッド上位の学習方法「アクティブラーニング」

皆さんはアクティブラーニングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
主に教育、学校現場を中心に実践されている最新の教育・学習法の1つです。

学校現場ではすでに積極的な取り入れを呼びかけ続けられているこの手法であり、
新卒社員には比較的身近な手法となっているかもしれません。

この最新の学びの手法は、すでに多くの企業の研修で取り入れられています。

「他者と議論する」「実践による経験・練習」「他人に教える」という、
ラーニング・ピラミッドの最上位にあたる3つの学習方法を重視した学習手法を、
「アクティブ・ラーニング」と呼びます。

現在、教育学部では教員となるべく学習する生徒に対して、
ほとんどこの手法を意識した授業構築を教えており、
文部科学省もこの「アクティブラーニング」を推進しています。

定義が曖昧な外来語は法令に適さないという理由により、
新たな指導要領改定案では「主体的・対話的で深い学び」とされていますが、
内容は一致しています。

受講生が「見る・聞く」だけの従来の講義型の授業、研修ではなく、
受講生が「話す・動く」といった能動的な活動を行う形を「アクティブ・ラーニング」と呼びます。

メリットは当然、
「ラーニングピラミッド」で示される通り、
従来の学習法の何倍もの学習効果、定着率を実現できる点にあります。

また、企業において課題感となりやすい、
「主体性を持った社員を育成したい」という内容を、
研修のあり方自体で課題解決の実現をすることが出来る手法とも言えます。

企業研修でよく用いられる「ワークショップ形式」

ここまでの話の中ですでに予想がついているかと思いますが、
よく企業研修やセミナーで利用される「ワークショップ形式」という言葉は、
上記の「アクティブラーニング」と重なる部分の多い言葉です。

要するに、どちらも「受講生が能動的に活動する」ということを指した学習方法になります。

学習効果が高いことは間違いないワークショップ形式ですが、
ワークショップと言いながらも、
単調に講義とグループディスカッションを繰り返すだけに陥ってしまうパターンをよく目にします。

たしかに最も簡単に学習効果の高い「アクティブラーニング」を取り入れられるため、
ただ前に出て喋るだけよりは何倍もマシな方法ですが、
それだけではもったいないと言わざるを得ません。

なぜならグループディスカッションは、
アクティブラーニングの中ではもっとも効率の悪い手法だからです。
上記で説明したとおり、他者との議論で得られる学習効果は、50%。
これより良い方法に、自ら動くことと、自ら教えることが挙がっています。
講義の中でもこの手法をしっかり取り入れることで、より効果的な研修が実現できます。

また、話を聞くことに比べれば、
自分で読むだけで倍の効果、映像を見ることで4倍の効果が得られます。

こういった要素を複数組み合わせることで、
内的なアクティブをつくること、
つまり、頭の中が活性化されている状態を作ってあげることが、
学習効果や定着率をあげることにつながります。

ワークショップ形式は実は難しい? プロも陥りがちなアクティブラーニングの落とし穴

実は教育現場でも、「アクティブラーニング」の取り入れに苦戦していました。
原因は複数ありますが、「アクティブ・ラーニング」の定義が非常に曖昧だったことが大きな理由の1つです。

「グループワークをしていればアクティブラーニングでいいんだろう?」という声や、
なにをすればアクティブラーニングになるかわからない」など。
また、
「アクティブラーニングなんかしてたら授業が追いつかない」
という教員もいた状況でした。

確かに従来の詰め込み型の授業スタイルのほうが、
同じ時間で与えられる情報量は多いです。
これまでと教える内容や分量が変わらない中、
アクティブラーニングを推奨した文科省に文句を言う教員も少なからずいました。

さて、本題です。
グループワークや実験をするだけがアクティブ・ラーニングになるか。
あるいはなにをすればアクティブラーニングといえるのか。
この答えは難しいように考えられがちですが、シンプルな回答があります。

それは「受講生の頭の中がアクティブか」というもの。
それが難しいんだという声も聞こえてきそうですが、
今行っている内容がアクティブラーニングなのかそうではないのかという判断基準にはなります。

例えば、講義を聞いているだけの状態は受講生は聞くことに集中しているため非アクティブな状態。
グループワークを実施している際も、ただ指示に従うだけのメンバーや、言われたことをメモするだけの書紀は非アクティブです。
実験を行わせていても、手順をすべて黒板で支持してそのとおりに動いているだけの状態ではアクティブラーニングとは呼べません。

逆に、全員の受講生が前を向き、誰とも話さず、ただ黙々と机に向かっている状態であっても、
与えられた課題に対して全員が深く考え取り組んでいる状態は、アクティブラーニングと呼べます。
例えば作文などの創作の時間がそれに該当しやすいかと思います。

より良い研修にゴールはありません。
常にいま、受講生の頭がアクティブか、ということを意識しながら、
相手や状況に合わせて内容をより良くしていく作業が必要になります。

もちろん、外的に身体が動いていたり、自ら発信する話す行為などは、内的に(頭の中)も比較的アクティブになりやすいため、
有効な手段であることは間違いありません。

どのように内製化を進めれば良いか

研修を内製化するということは、
企業の中の方が講師を行うということになります。
ラーニングピラミッドに基づけば、
この講師に選ばれた社員には研修の90%を定着させるチャンスです。
究極的には、全社員が講師を経験した状況をつくっていければ、
社内における定着率は90%に限りなく近づいていくということになります。

もちろん、講師に選ばれた方をしっかりサポートし、
研修の中で上記の
「ラーニングピラミッド」「アクティブラーニング」「ワークショップ」という考え方を利用する必要もあります。

日本テレビHRではこういった状況を構築するために、
社内の共有アカデミー作りや委員会作り、その活動の促進などのサポートも実施しています。
研修の長期的なのカリキュラムから、
研修講師の担当となった社員のサポート、また資料の準備等まで、幅広くサポートが可能です。

どこから内製化に手をつければいいかわからない、という課題をお持ちの方は、
日本テレビの送る「内製化支援」サービスをご検討していただくのも手です。
(お問い合わせは弊社フォームより可能です)

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