【人事業界トピックス】「人手不足」関連の倒産、件数・負債総額ともに過去最高ペースで増加中

  • 2018年10月15日
  • 2019年5月30日
  • その他

10月14日発表の東京商工リサーチ(本社:東京都千代田区)の調査で、深刻な人手不足を理由とした国内企業の倒産数が、負債総額と共に過去最高のペースで拡大していることが判明しました。今年(2018年)1~9月の合計倒産数は299件に上り、この10月中にも昨年2017年(平成29年)の年間トータル件数である317件を上回りそうな勢いとのことです‥‥。

 

「人手不足」関連倒産の件数、負債総額と共に過去最高ペースで増加

ここ数年来、我国の産業界で大きな問題となっている「人手不足」関連倒産は、必要な従業員の雇用がうまく出来ずに事業の継続が困難となったり、何らかの理由から転職や退職を希望する社員を慰留する目的で無理して賃金等を引き上げたことで収支のバランスが急激に悪化して倒産に至ったケースが目立つと云います。

 

9月の「人手不足」関連倒産は27件、6カ月連続で前年同月を上回る

本年(2018年)9月単月の「人手不足」関連倒産は、27件(前年同月比22.7%増、前年同月22件)で、6カ月連続で前年同月を上回りました。

その内訳は、代表者や幹部役員の死亡や病気入院、そして引退などによる「後継者難」型が21件(前年同月16件)であり、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が3件(同4件)、中核社員の独立や転職などの退職から事業継続に支障が生じた「従業員退職」型が3件(同1件)とされ、賃金等の人件費のコストアップから収益などが大きく悪化した「人件費高騰」型はゼロ(同1件)でした。

同月(9月)の産業別は、最多がサービス業他の8件(前年同月1件)でした。次いで卸売業が7件(同4件)、建設業は5件(同6件)、製造業が4件(同4件)、不動産業が1件(同1件)、運輸業が1件(同2件)、情報通信業が1件(同1件)の順となりました。

地区別では、全国9地区の中で四国を除く8地区で倒産が発生しました。その内訳は関東で11件(前年同月11件)、九州で7件(同4件)、中部が3件(同2件)、東北で2件(同1件)、近畿で1件(同2件)、北海道が1件(同ゼロ)、中国が1件(同1件)、北陸で1件(同ゼロ)の順でした。

また都道府県別では、最多の福岡が4件(前年同月1件)、東京で3件(同6件)、山形・群馬・埼玉・神奈川・山梨・愛知が各2件の順となりました。

 

要因別では「後継者難」型で7割

2018年1~9月の「人手不足」関連倒産は299件(前年同期比30.0%増、前年同期230件)で、前年同期より3割増で推移しています。その内訳をみると、「後継者難」型が225件(前年同期比25.6%増、前年同期179件)が7割(構成比75.2%)と高い割合を占めましたが、従業員が集まらない「求人難」型も40件(同48.1%増、同27件)と大きく増加、「従業員退職」型が17件(同41.6%増、同12件)、「人件費高騰」型が17件(同41.6%増、同12件)でした。

 

資本金別では1,000万円未満の零細企業が過半

2018年1~9月の資本金別では、1,000万円未満の零細企業が55.8%と過半数を占め、1,000万円以上1億円未満の中小企業も43.8%に上りますが、経営体力のある大手企業や中堅以上の企業は、ある程度人手不足の影響が業容に影響しても、今のところはまだ倒産にまでは至っていないことが見て取れます。

 

産業別ではサービス業他が最多の81件で3割弱

2018年1~9月の産業別内訳では、最多がサービス業他の81件(前年同期比47.2%増、前年同期55件)でした。次いで建設業が61件(同12.9%増、同54件)、卸売業の51件(同75.8%増、同29件)、製造業が49件(同58.0%増、同31件)、小売業が20件(同4.7%減、同21件)の順でした。

同時期の地区別では、全国9地区の内、関東(100→127件)・九州(30→38件)・中部(24→37件)・東北(12→23件)・中国(15→18件)・四国(6→12件)・北陸(1→4件)の7地区で前年同期を上回りました。一方で、減少したのは近畿(27→25件)だけで、北海道が前年同期と同数(15→15件)でした。

 

今後の「人手不足」関連倒産の動向に注意

東京商工リサーチによると本年(2018年)1~9月の「人手不足」倒産の負債総額は417億円と云います。この勢いで増大すればトータル件数は400件前後、負債総額も550億円前後まで拡大しそうとのことです。

2013年(平成25年)以降、人手不足問題の顕在化を受けて調査が開始された「人手不足」関連倒産のピーク数は2015年(平成27年)の340件であり、また負債総額の最大は2013年(平成25年)の541億円でしたが、いよいよ今年(2018年)はその両方の数値が共に更新される恐れが確実視されてきました。

これらの「人手不足」関連倒産について調査を担当している東京商工リサーチでは、「人手不足はブルーカラーの職種を中心に深刻化している。倒産の原因の8割程度は後継者難で、一朝一夕には解消できない」と説明しています。

近年、通常の企業倒産が低水準で推移する一方で、相変わらず中小企業を中心に人手不足は深刻度を増しています。そして昨今、人手不足が直接/間接の原因とされる倒産パターンの内訳に関しては、上記の通り、主として「後継者難」型が中心であるとされてきましたが、筆者としては、今後は人材確保・求人が困難となり事業継続に支障が生じる「求人難」型の増大傾向にも、より注意を払うべきと考えています。

 

【参考】中小企業庁によると、2025年には我国の企業全体の約1/3にあたる127万社の中小企業などに廃業のリスクが及ぶとし、約650万人の雇用が喪失する危険性を示しています。そこで経済産業省は、中小企業のM&A(合併・買収)情報を集めたデータベースを外資系企業に開放することにしました。今年(2018年)度中に日本貿易振興機構(ジェトロ)を通じて情報提供を開始し、我国の中小企業が有する技術がむやみに海外に流出するリスクを防ぎつつも、その製品や技術に関心がある外資系企業に情報を紹介して、優れた技術の伝承や地方の雇用環境を確保しながら優良な中小企業の事業承継を支援したいとしています。

具体的な手法としては、中小企業基盤整備機構が全国に設置している「事業引継ぎ支援センター」のデータベースを利用して、約2万4千件にのぼる中小企業からの売却案件や買い手企業の情報などの中で、「匿名公開」を条件に金融機関などに限って公開している約3千件について、ジェトロを通じて外資系企業にも情報の提供を実施したいと考えています。

また経済産業省はこのデータベースを充実させる目的で、2019年度には地方銀行や税理士等が有する取引先情報なども同データベースに登録可能として、民間データベースとのリンクにより情報共有をより推進することを検討したいと云います。

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