テレワークの労務管理について~残業代未払い問題も増加。取り組むべきポイントとは~

  • 2021年4月30日
  • 2021年4月30日
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新型コロナウィルスが流行して1年が過ぎました。度重なる緊急事態宣言が発令されるなど、まだまだ流行の終焉は見えません。リモートでの勤務も徐々に普及&定着をしてきましたが、在宅中の社員の労務管理は企業にとっては難しい問題でしょう。今後、リモートでの労務管理を検討されていらっしゃる企業様は、ぜひ参考にしてください。

■テレワークの残業禁止(支給なし)は問題か?

 テレワークが普及し、企業が社員の働きぶりが見えないということで、テレワークの日は残業を禁止にし、残業代を支給しないという企業がひそかに問題になっています。
仕事量が変わっていない社員は、残業をせざるをえない状況であるにも関わらず、残業が認められない為、定時刻で勤怠終了を報告し、その後サービス残業するという実態が増えているようです。日本労働組合総連合会が2020年6月に発表したテレワークの実態調査では、回答者の約65%が、時間外や休日労働をしても、その労働を申告しないことがあったと回答しています。約25%については、「申告しづらい雰囲気だから」と回答しています。会社が、残業を容認していないことなどにより、サービス残業を助長させている実態がありそうです。
 しかし、テレワークであったとしても、残業代が支給されないのは違法です。サービス残業を助長させないよう、企業でも労務管理の体制を構築していくことは重要です。

テレワークの労務管理について

 では、テレワーク中の労務管理について、どういうことに気を付けていくべきでしょうか?

【1】コミュニケーションの場を活性化させ、従業員の業務量を適正化する。
 テレワークでは、業務が目に見えない分、「さぼっているのでは?」「効率が落ちているのでは?」という思いに刈られる気持ちも分かります。だからといって、「カメラなどをつけて監視する」といったことなども時代になかなかあっていません。(以前、ご紹介したリモハラと言われるものに当てはまる場合もあります)。しかし、テレワークはその性質上、一人で黙々と仕事をしないといけないため、実は周りに相談をしたり協力を仰げば、早く終わるような仕事も、相談ができずに抱え込み、効率が悪くなるということは結果としてあります。また、一人で仕事をしていると集中力が切れるということもあると思います。
 こうした状況を、緩和していくということは、労務管理の前に企業が取り組めることかと思います。
 例えば、お昼~夕方などの集中力が切れそうな時間のタイミングで、15分~30分ほど、組織の仲間や上司と1ON1や雑談の場を取り入れ、そこで今困っていることや、取り組んでいる仕事についての話や相談を共有する場をつくるなどして、仕事についての相談をライトをできることで、非効率になっているところのヒントを得たり、前進させられたりするかもしれません。一部企業では、「たまり場」や「夕会」といった名目で、テーマはなんでもOKで、相談や雑談を取り入れるようにしたところ、リモートでも効率よくなったという例もあります。また、従業員のタスクを把握できる機会にもなり、業務量の適正マネジメントもしやすくなるメリットがあります。

【2】勤怠管理のツールを整備する・運用を周知する
就業開始・終了がしっかり把握できるよう、勤怠管理の方法を決めましょう。方法としては、「メール報告」・「勤怠管理ツールを利用する」「PCログを記録する」といった方法などがあります。しかし、メール報告では、先述したとおり「言いにくい雰囲気がある」という壁があれば、虚偽の申告をする従業員が出てきたり、報告漏れが発生するリスクなどがあるなど、あまりお勧めはしません。できれば、従業員による申告制ではなく、PCのログなどからデータを測定できるなどができるとベストです。ただ、そこまでコストを割けない。という企業もあると思うので、「報告をしにくい雰囲気を作らない」ということは重要です。また、テレワーク内での中抜けをする場合の勤怠ルールなども決めておくと、中抜け分を多く賃金を支給するということは抑えられるでしょう。

テレワークの中抜けや移動時間について

 テレワーク中で、保育園の送り迎えや銀行など用事があり中抜けの相談をもらう例も増えているようです。そうしたケースが、社内でも増えている場合は、どのように対応できるでしょうか?

【1】中抜けの時間を、休憩時間に含むもしくは、就業時間から減らして計算する。
【2】時間有給制度を導入する

といったことが取り入れられそうです。時間有給制度では、1時間ごとに習得できるようにすると、朝夕の送り迎えでも活用できるなど、特に子育てされている社員からは活用しやすい福利厚生でしょう。

また、中抜けの移動や、カフェへ移動した時間は就業規則に含むか、含まないかという問題もあるかと思います。基本的に、中抜けの移動時間は、「就業時間に含まない」というのが正解になります。また、カフェへ移動して仕事をするといった場合は、業務の必要性に応じ、「会社都合か」「自己判断か」といったことで、判断できそうです。例えば、会社からの命令であれば、業務内に入れても良いですが、特に業務の必要性はなく、自己判断でカフェへ移動して就業する場合は、就業時間に「含まない」と捉えられるでしょう。

テレワークの労務管理のおすすめツール

 では、ここでテレワークの労務管理でおすすめのツールをお伝えさせていただきます。
【1】ジョブカン 勤怠管理
Donuts社が提供しているジョブカンというツールです。
1ユーザあたり200円/月〜の費用感で利用できます。また、基本の勤怠管理に加えて、プロジェクトの進行管理などもできるツールです。
【2】jinjer
 ネオキャリアが提供するツールです。アプリから勤怠申請をすることが可能で、ブラウザへのログインも不要です。また、勤怠申請できる地域などを制限できるため、不正な勤怠報告などを防ぐことができるのも特徴です。リピーター99%と非常に利用満足度が高いツールです。
【3】F-Chair+(エフチェアプラス)
テレワークマネジメント社が提供しているツールです。打刻ができるツールから、着席・離席などを簡単に切り替えられ、最終的にその合計を集計してくれる便利ツールです。少しの間席を外すといったことも、このツールを使えば、しっかり集計してくれるため、社員は「抜けたりしていることあるし」といった罪悪感を減少させることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?強制的に残業をさせない。ということではなく、企業としてテレワークの業務軽減へ協力したり、労務管理の体制を整え、テレワークへの順応性を高めていくことがこれからの時代必要になりそうです。少しでも参考になれば幸いです。

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