【解説】ワクチン休暇とは~導入にあたってのメリットなどを解説~

  • 2021年6月30日
  • 2021年6月30日
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新型コロナウィルス対策として、高齢者だけでなくようやく若者も対象にしたワクチン接種が始まりました。企業でも従業員がワクチン接種をできるような手続きが始まっています。しかし、ワクチンを接種すると人によっては高熱を伴うなど、副作用も心配されます。また接種のためには、業務を抜けて対応しなければなりません。ワクチン接種は休暇扱いにするものでしょうか?今回は、ワクチン接種に関連した休暇について言及をしていきたいと思います。

はじめに

ワクチン休暇について解説する前に、休暇にも種類があるのはご存じでしょうか。
まずはいくつかある休暇の種類について解説していきます。
休暇の種類はいくつかありますが、大きく分けると、特別休暇、有給休暇、法定休暇の3つがあげられます。これらの休暇の違いについて解説していきます。

特別休暇
特別休暇とは、福利厚生の一環として、企業が従業員に自由に付与できる休暇です。
特別休暇は法律の定めがない「法定外休暇」にあたるため、休暇の目的や有給・無給は各企業で自由に決めることができるのが特徴です。

有給休暇
有給休暇は、労働基準法で定められている「法定休暇」です。企業は対象の従業員に対して、必ず有給休暇を付与しなければならない義務があります。
また、2019年4月の働き方改革関連法にて一定日数の確実な取得が義務づけられ、年間10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対しては年間5日、時季を指定して与えなければならないという規定もできました。

法定休暇
有給休暇も法廷休暇の一種ですが、それ以外にも法律で定められている休暇があります。例えば、産前産後休業、育児休業、子の看護休暇、生理休暇、介護休業・休暇があります。
これらはすべて、企業が自由に付与できる特別休暇と異なり、法律で従業員への付与が義務づけられている休暇です。

ワクチン休暇の設定は義務か?また、どの休暇扱いにするか

結論からいうと、ワクチン休暇の設定は義務ではありません。上記述べてきた、休暇の種類を見てもらうとわかるように、まずワクチン休暇は法廷休暇ではないからです。企業によっては、これ以上の休みは増やせないと有給休暇をワクチン接種にあてることを推奨している企業もありますし、それは問題ないことです。一方で、従業員への福利厚生を考えると、有給休暇とは別に、特別休暇としてワクチン休暇を定めるということを検討し、実際に導入している企業もあります。実際にワクチン休暇を導入している企業の例としては、
・チューリッヒ
・株式会社銀座ルノアール
・フューチャー株式会社
・akkippa
など複数の企業が導入を決めています。大手企業だけでなく、中小企業でもこうした動きは出ています。

ワクチン休暇導入のメリット

ワクチン休暇を導入するメリットとしては、下記があげられます。
(1) ワクチン接種の促進
会社が休みの日にワクチンを接種すると、混雑した休日に会場に行く必要があったり、副作用がでると1日2日出勤ができないなど、業務に支障をきたすことがあります。こうした事情も、休みとして扱えることができれば気にせずワクチン接種へと踏み出せる従業員がいます。従業員のワクチン接種の接種率を高める効果が期待できます。
(2) 従業員への満足度向上・採用へのアピールに
特別休暇のため、無給扱いにできたり、休暇を設定しないという選択も取れますが、従業員からすると、給料がでないのであればと、休暇を利用しないケースが想定されます。こうしたご時世にいち早く、対応し制度として導入をしたということは企業のイメージ向上にもつながり、採用時にもアピールにもなります。

ワクチン休暇は、就業規則に記載をするか

ワクチン休暇について就業規則に記載をすべきかどうかについて、お伝えします。休暇については原則、就業規則に規定をすることが求められます。しかし、ワクチンは2回の接種を終えれば、毎年打つようなものではなく、2回限りの一時的なものと捉えれば、やむを得ない事情と捉え記載をしなくても例外的にOKです。

今回記載をする義務はなく、こちらの対応は企業内で決めても問題ありません。
・就業規則に規定をする
ワクチン休暇を恒常的(いつでもとれるよう)な休暇として、規定し、就業規則に規定をする。しかし、こちらは接種日、および翌日のみの対応とするなどして、規定するとよいでしょう。
・就業規則に規定をしない
ワクチンは何度も接種するものではないため(厳密にいうと現状2回接種)のため、わざわざ就業規則に規定をせず、スピードを優先させるという手もあります。
・会社命令で接種を促す。
休暇として与えるのではなく、会社命令で接種を打つよう指示をするという方法もあります。例えば、接種を終えた社員には別途、お金を支給するなどの方法です。しかし、ワクチンについては、まだまだ打つことに抵抗がある社員もいるのは事実です。接種の自由については、社員に委ねる選択をとるほうが、後々トラブルにはつながりにくいといえるでしょう。

いかがでしたでしょうか。ワクチン接種に備え、会社としても備えていきましょう。

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